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庭物語「鳥かごの夢」

2009年05月27日 14:12

鳥かごに棲む少女。

ということで、このECOがお休みの3日間にあちらもまとめてみようと思い
ガレキの楽園とやった順番が前後してしまうのですが載せますね~

さすがに処女作ということもありかなり荒削りな内容ですが
楽しんでいただければ幸いでアリマス。





庭物語「鳥かごの夢」












天空に浮かぶ「鳥かご」をご存知だろうか。

鳥かご庭

丸いかごの外観、天からその家を釣っているいばらの鎖。

そこには、一人の「少女」が住んでいるという。

鳥かごに縛られ、出てこない「翼を持つ少女」がいるとー


******************************

部屋の中。座って一人チェスを楽しむ少女。

鳥かごの、少女。

鳥かごには、客人がいた。

少女は、客人に気づくと席を立つ。


「私の庭に、ようこそ
見かけない方々ですが・・・
お父様とお母様のお知り合いの方かしら?」


ようこそ、この鳥かごへ


少女は、籠を回りながら、嬉しそうに話し出す。

「フシギな形でしょう?鳥かごみたいで。
ここには、なんでもあるんですよ」

鳥かご内部


「ふかふかのベッド、素敵な噴水。
麗しい音色を奏でてくれるピアノ、蓄音機。」


少女は、外を見て、手を伸ばしながら話を続ける。


「そして、ほら、空も今日もいい天気。
この籠の中では、ずっといい天気なんですよ。
ふふ、不思議だけど素敵でしょう?」


そうなのだ。

外は夜、雨も降っているのに、この中では晴れ。

天気が崩れることなど、ない世界なのであった。


「お父様とお母様がお帰りになるまで、
この籠から出てはいけないと言われているの。」


少女は、そう語りながらも少しも苦ではない様だった。


「でも、決して出たいとは思わないわ。
だって、ここには何だって、あるんですもの。」

そこまで語ったとき、外で不意にココッコーたちが鳴きだした。


「外に、出ようよ」

ぴよぴよ、ぷぷぷ

ぴーぴー!

「・・・うーん、まただわ。
最近、ココッコーちゃんたちがよく鳴くんです。」

少女はそういうと、少し顔をうつむかせた。

「中に入りたいのって聞くんですけど、
そうではないみたい。
タイニーちゃんたちと一緒になって、
外に出よう、外に出ようってうるさいんですよ。」

少し移動した少女の表情は、心なしか青ざめているようだった。

「外なんて・・・・
私は、行きたくないのに・・・・。」

悲しげな顔で、少女は呟いた。


ぴーぴー!

ぴよぴよ!

さらにココッコーが鳴きたてる。

「いやっ、私はここにいないといけないの!」

少女は不意に叫んだ。

客人は、その剣幕に、少し離れた方がよさそうだ・・・と腰を上げた。

「・・・お客様?」

「・・・・帰ってしまうんですの?」

少女がゆら、とこちらを見る。

「・・・・外の世界に、帰ってしまうんですの?」

「外なんて・・・・・」


少女の様子が、少しおかしい。
ぶつぶつと、何かを呟き始めた。

「・・・・そうですわ
あなた方も、この部屋で暮らせばいいんですわ。」

少女は、ふっとうすら笑うと、笑っていない瞳でこちらを見た。

「うふふ、ここには何でもありますもの。
お父様とお母様が帰る日まで、
私と、ここで・・・・」

すっと少女が入り口を指差した。

すると、籠が・・・・閉じてしまうのであった。


閉じ込める

「うふふ、籠をしめてしまいますわ・・・!」


空が紫色になる。

「うふふふふ・・・・・
ここから出るなんて、許さない・・・!」

少女は雷を招来する。

脅しのつもりだろうか。

激しい雷が鳴り響く。

すると、少女の顔が青ざめた。

「・・・・・・!!!」

「雷が、強すぎる・・・?」


壊れる鳥かご


「これは・・・・籠が、壊れてしまうわ・・・・・!」

まばゆい雷の光と共に、鳥かごは砕け散るのであった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



籠の外


気がつくと、そこは外だった。

いや、正確に言うと・・・

元の無機質であったリノリュームの地面ではなく、

ただの土の地面が広がっているだけだった。


「私の部屋が、籠が、壊れてしまったわ・・・!
ここは、外・・・・?」

少女は呆然とあたりを見渡した。

そして、自分の後ろに立つものに気がついた。

「ここは・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・お墓・・・・・・?」


忘れようとしていた記憶

「ここは・・・・・・
・・・・・お父様とお母様の、お墓・・・・・!」



「・・・・・あ・・・・
私・・・・・・私は・・・・・・・」

真実

少女はがくっとうなだれて、せきを切ったように話しはじめた。

「・・・・忘れようとしていただけなのです・・・・
現実を・・・・事実を・・・・・・・。」


「・・・・・・・二人はもう、戻ることは・・・・・ないのです」


そう、少女は・・・2度と帰らぬ二人のことを思い出したくなくて・・・



《すぐに戻るから、いい子にしているのよ。》

《私たちが戻るまで、勝手に外に出てはいけないよ。》




その言葉の中にいれば、いつか・・・本当は戻ってくるのではないかと信じて・・・


鳥かごの中に、一人、過ごしていたのだった。


不意に、すべてを思い出した少女を煙が包み・・・


浄化

再度、姿が現れた少女の姿は、厳かなドレスではなく、
普通の少女のものであった。

「・・・・・・あぁ
本来の姿に・・・戻っただけですわ。」

少女は、ゆっくりと空を見上げてそう言った。


「土の温かさも、雨の冷たさも・・・・
・・・・・・思い出しました。」



裸足のまま土の地面に立ち、雨の中・・・・



少女は、ゆっくりと客人のほうを振り返ると、ゆっくりと口を開いた。



「貴方がきて下さって、本当によかった。
もう、夢から覚めなければいけませんね。」

 

「ありがとうございます。私はもう・・・・・・大丈夫。」



そういって、にっこりと笑う少女の目には、涙が浮かんでいるように見えた。








鳥かごの夢は、ここまで。


あとは、自分の翼で羽ばたいて行けるでしょう。



きっと、籠の外の世界は、籠の中よりもたくさんの素敵なことが、待っているはず。





庭物語「鳥かごの夢」 終幕



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